痛風と尿酸について

血清尿酸値と寿命

血液中の尿酸は、遺伝情報を担うプリン塩基の老廃物です。尿酸の正常値は2.1〜7.0mg/dlです。
尿酸値が7.0mg/dlを超えるものが「高尿酸血症」です。痛風関節炎の原因であり、慢性腎臓病(CKD)の発症や進行にも関係し、尿路結石を起こしやすくなります。
逆に、腎臓から多量の尿酸が排泄され、血清尿酸値2.0mg/dl以下に低下する腎性低尿酸血症は、無酸素運動後に起こりやすい「急性腎不全」(ALPE)の危険因子です。この急性腎不全は、無酸素運動後に斑状の腎虚血と、背中や腰の激しい痛みを伴って発症し、一時的に血液透析治療を要することもありますので、注意が必要です。
日本では、成人男性における高尿酸血症は4〜5人に1人で、症状の出る痛風の罹患率は100人に1人と報告されています。2004年に米国での大規模な研究で、痛風の発症は、魚介類・ビールで1.5倍、肉類の摂取で1.4倍、BMIが高いと1.2倍、スピリッツで1.2倍と高くなり、逆にワインでは無関係、果物・乳製品・適度な運動でそれぞれ0.6倍、コーヒーを1日6杯以上で0.4倍と低かったとの報告があります。
尿酸自体は、活性酸素を抑えたり血管拡張の作用もあることから、アンチエイジングの効果が言われています。正常値であれば、心臓や血管の病気との因果関係はなく、むしろ判断材料であると考えられます。
血清尿酸値の増加に伴って、メタボリックシンドロームの頻度は増加します。高インスリン血症の場合には、腎尿細管における尿酸の再吸収を増加させ、血清尿酸値を増加させ、将来高血圧を起こしやすくなります。血清尿酸値の低下が心臓や血管の病気に与える影響を検討したランダム化比較試験の結果は示されていません。
悪性腫瘍による死亡と血清尿酸値との関連を認めたとする大規模調査がありますが、尿酸値のコントロールによって、悪性腫瘍のリスクや総死亡のリスクが低下するかどうかは不明です。
痛風腎による腎不全は慢性痛風患者の18−41%に合併し、もっとも多い死因であるとされています。病理学的には、尿酸結晶による尿細管閉塞、間質の炎症、結石形成をきたします。これらには尿酸産生増加とそれに伴う腎よりの尿酸排泄亢進が関与しています。
高尿酸血症の治療は、メタボリックシンドローム、糖尿病などの発症に関係する生活習慣を改善することがもっとも大切です。
痛風関節炎を繰り返す場合は薬物治療が有効です。血清尿酸値を6.0mg/dl以下に、無症候性高尿酸血症では8.0mg/dl以上を目安に、薬物治療を開始します。


追記

当院でも痛風性関節炎の方をお見受けします。どんな病気でも基本は自己管理です。アルコールや肉食にご注意ください。野菜や果物、乳製品などバランスのよい食事をおすすめします。当院では管理栄養士による栄養指導が受けれます。

地域の皆様の受診をお待ちしております。

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院長
神戸市垂水区の佐々木内科医院では「あなたの腎臓を守りたい。地域のホームドクターへ」をモットーに腎臓専門医として地域のみな様の健康を守りたいと考えています。

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