腹診:心下痞硬について

(2)心下痞硬
自覚的に心窩部につかえる感じのあることである。そのような痞える感じがあって、そこを按ずると(押すと)、抵抗が感じとられ、さらに按圧すると、痛みまたは不快感を訴えるのを、心下痞硬という。程度の差はいろいろであるが、諸種の柴胡剤には、みなこれが認められ、また他の少陽病の薬方でも、証の一つとしてこれが認められることが多い。陰証では、心下痞硬を呈する場合は比較的少ないのであるが、桂枝人参湯証のように「傷寒論」の条文にも心下痞硬が明記され、実際の臨床でもこれを認めることが多い薬方証もあるし、乾姜人参半夏丸の証のように、腹部全体は軟弱または無力であるにもかかわらず、心窩部のみに、強い痞硬を認めるような例もある。
著書「薬徴」において、人参の主治を「心下痞硬」であるとしている。「類聚方」の中では、人参が配された薬方のあとには、必ず「為則按ずるに、心下痞硬の証あるべし」と記されているのはほぼ当を得ているようである。

漢方の診療; 腹診について

腹診について(成書より抜粋・一部改編)

(1)腹力
腹診で最も大切なのは、腹力が「実」か「虚実間」か、という点を決定することである。そのためには、手掌全体で病者の腹部全体を軽く按じ、あるいは重く按じて、両者の
腹力を感じ取るのである。その方法としては、臍の両脇を上から下に、または下から上に按じ、次いで臍の上下を右から左に、左から右に按じて診察する方法とか、あるいは臍を出発点として、回盲部から上方に向かって、そこから右に水平に転じるというように、平仮名の「の」の字の形に押さながら軽按して腹力を感じ取る方法など、人によっていろいろなやり方があるが、要は、万遍なく腹部全体を軽按し、あるいは重按して、腹力を決定することである。腹力の判断基準:(基準)腹力中等度・・・・軽按しても重按しても、腹力が有りすぎもせず、無さすぎもせずというもの、これを虚実間ないし、やや実証に傾いている腹力とみなす。これを基準として「実」の方へは、@腹力中等度よりわずかに実 A中等度よりわずかに実 Bやや実 C実 D強実、また「虚」の方へは E腹力中等度よりわずかに実 F中等度よりやや軟 Gやや軟 H軟 I軟弱にして無力、の各々五段階、都合十段階に分けて記録している。
腹力中等度というのは、健康人の標準的な腹力であるとともに、病的状態である虚実間の腹力としても感じられることがあり、実際の臨床の場では、この腹力中等度(たとえば小柴胡湯証など)、中等度よりわずかに軟(たとえば柴胡桂枝湯証)、中等度よりやや軟(たとえば柴胡桂姜湯証)の三者が最も頻繁に出現するよう・・・・なお腹直筋が緊張しているために、真の腹力は虚状であるにもかかわらず、一見、実証のように感じられ、誤診の原因になる場合がある。これを防ぐためには、腹診のときには、必ず腹直筋の外縁の部分(副正中線)で、腹底に向かって三指を圧入し、その手ごたえをみることが必要である。この場合、三指に感じられる腹力が、全体として感じられる腹力よりも、いちじるしく弱い場合には、全体として感じられる腹力は、見かけの実の腹力であって、本当は虚証の腹力であるとみなすべきである。

休診のお知らせ

年末年始の休診

2014年12月29日〜2015年1月5日です。

地域の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご来院日をお確かめの上、ご来院ください。

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院長
神戸市垂水区の佐々木内科医院では「あなたの腎臓を守りたい。地域のホームドクターへ」をモットーに腎臓専門医として地域のみな様の健康を守りたいと考えています。

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