ACP学会に参加 5月26日(日) in 京都大学 百周年記念講堂

米国内科学会ACP 日本支部学会が開催されました。

ACPのミッション:ACP's mission is to enhance the quality and effectiveness of health care by fostering excellence and professionalism in the practice of medicine. It was founded in 1915 to promote the science and practice of medicine.

優秀な演題のご発表などがありました。

旅行者に必要な医学についてのセッションに参加し、有意義な知識を得ることができました。

今後当院での診療に生かして行きたいと考えています。




院長の勉強日記  Heymann腎炎について

Heymann腎炎

ヒトの慢性腎炎のひとつに膜性腎症があり、腎炎発症の原因抗原はすべてが明らかになっていないものの、マラリア、B型肝炎、梅毒などの感染症に罹患した場合においても生じることが知られている。この疾患の特徴は、大量のタンパク尿や低タンパク血症などのいわゆるネフローゼ症状を呈し、糸球体基底膜の上皮細胞下に免疫複合体が観察されることである。この腎炎患者から得られた腎組織をPAM染色すると、糸球体係蹄が“櫛状態”に観察され、さらに電子顕微鏡では、糸球体基底膜の肥厚や上皮下の”dense deposit(免疫複合体と考えられた)”が観察される特徴的な組織像を呈する。1959年にHeymann等がラット腎粥でラットを直接免疫したところタンパク尿を生じることが見出され、その後「Heymann腎炎」と呼ばれるようになった。その後抗原部位が近位尿細管のbrush border membraneに由来することが判明した。この尿細管に由来する画分をFX1Aと称した。このFX1Aでウサギを免疫して得られた抗血清をラットに静脈注射すると、ラットは蛋白尿を呈し、同時に基底膜上皮細胞下に免疫複合体が形成されることが見出され、”in situ immune complex formation theory”へと発展した。このモデルは短期間に膜性腎症を発症するので「Passive Heymann腎炎」とよばれ薬物評価に使用されている。Heymann腎炎を発症したラットの腎組織を蛍光抗体法で染色して観察すると、ヒトの膜性腎症の患者の腎糸球体で特徴的に観察される顆粒の美しい蛍光が糸球体係蹄に沿って“数珠状に”認められる。・・・・・FarqureらのFX1Aの抗原探索研究から、Heymann腎炎の原因となる抗原がgp300という糖蛋白であることが判明し、さらに遺伝子クローニングの結果“メガリン”という尿細管上皮膜に存在するスカベンジャーリセプターであることがつきとめられた。このメガリンはLDL受容体として働き、さらにキュビリンと共役して多様なリガンドを取り込むことが示され、これらの分子が溶血や横紋筋融解後の急性腎不全の発症に関与することが明らかになった。

日薬理誌 2008より抜粋・・・一部改変


院長の勉強日記

院長の勉強日記

腎炎について・・・・・

抗GBM腎炎

ヒトの腎疾患の一つに、咳、血痰、呼吸困難などの肺症状に続いて、タンパク尿と顕微鏡的血尿を呈し、急速に腎機能が低下する、グッドパスチャー症候群がある。この疾患の特徴である糸球体障害や肺胞障害は腎糸球体基底膜のW型コラーゲンのα3鎖のNC-ドメインに対する自己抗体により生じることが示された。

腎組織の光学顕微鏡的所見として、糸球体の巣状増殖性変化が、ボウマン嚢に充満する半月体を呈する。さらに、蛍光抗体染色を実施すると、IgGが糸球体係蹄に沿って、特徴的な線状に沈着する像が観察される。

1933年に馬杉は異種動物に作製した抗糸球体基底膜抗体(GBM抗体)、いわゆるネフロトキシンを静脈注射することで、腎炎が惹起されることを初めて報告して、この腎炎モデルは「馬杉腎炎」あるいは「ネフロトキシン腎炎」と呼ばれた。・・・・・

・・・・・ラットの腎皮質をホモジュナイズしてウサギに皮内注射して、ネフロトキシンを作成し、その後、糸球体基底膜をトリプシン処理して、抗原を可溶化し、この抗原で得た抗血清をラットに静脈注射して、ウサギγ-グロブリンで感作すると、激しい増殖性糸球体腎炎が惹起されることが見出された。これは半月体タイプの抗GBM腎炎と名付けられた。この腎炎モデルは、糸球体に半月体を形成し、腎機能が急速に低下し、ヒトの急速進行性糸球体腎炎に類似した腎組織像を呈した。

ラットに静脈注射した抗GBM抗体は直ちに糸球体基底膜GBMに沈着し、いわゆる“heterologous phase” と呼ばれる免疫反応を生じて、GBMを傷害する。その後、GBMに結合したウサギIgG(抗GBM抗体)に対する抗体が産生され、糸球体GBMで”autologous phase”と呼ばれる2回目の免疫反応が生じる。ウサギγ-グロブリンでラットを感作した後に、抗GBM抗体を静脈注射すると ”autologous phase” を直ちに惹起できる腎炎モデルとなる。抗GBM腎炎は免疫炎症反応によって進展していくことから、サイトカインや接着分子など炎症に関係する多くの分子が関係することが示された。・・・・・・
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種々の遺伝子改変マウスに抗GBM腎炎を惹起することにより、分子レベルで腎炎進展因子の解明が実施できるようになった。プロスタグランジンE2のEP1受容体サブタイプを欠損したマウスでは、抗GBM腎炎が増悪することが示され、一方、生活習慣病に関係するレプチンを欠損したマウスや、不活性のlatent TGFβを多く発現するトランスジェニックマウスでは、抗GBM腎炎の発症が抑制されると報告されている。

日薬理誌 2008より抜粋・・・一部改変

休診のお知らせ


6月19日(水)を医院の都合のより休診とさせて頂きます。地域の皆様には大変ご迷惑をおかけ致しますが、ご来院日をお確かめの上、ご来院下さい。


佐々木内科医院
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院長
神戸市垂水区の佐々木内科医院では「あなたの腎臓を守りたい。地域のホームドクターへ」をモットーに腎臓専門医として地域のみな様の健康を守りたいと考えています。

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