11月5日 第4回 加古川DMネットワーク講演会に参加

11月5日 第4回 加古川DMネットワーク講演会

特別講演1 「糖尿病における脂質管理のあり方」
神戸大学 循環器内科 石田 達郎 准教授

冠動脈疾患の危険因子として有意なもの
1. LDL     p<0.0001
2. HDL     p<0.0001
3. HbA1c    p<0.002
4. 収縮期血圧 p<0.0065
5. 喫煙     p<0.065

IFG+糖尿病において、プラバスタチンを投与すると心血管合併症は-32%になる。

この効果は糖尿病において非糖尿病におけるよりも大きい。

悪玉コレステロールLDLを78mg/dl以下にしてもよい。全死亡-10%、脳卒中不変。

LDLを下げない方が良いというテレビ番組があるが→誤り。

Dysfunctional HDL→DMであれば必ずある。腎不全・慢性腎臓病でも可能性
高い。

特別講演2 「2型糖尿病のインスリン療法 vs リラグリチド
順天堂大学大学院 スポートロジーセンター 河盛 隆造 教授

たった1つが世界を変える・・・1921年 インスリン発見
Banting, Vest, Majorie

1922年 1型糖尿病にインスリン投与
GLP-1 は30年かかった

1971年犬では胃が膵グルカゴンを分泌している。インスリン→胃グルカゴン↓


小腸は膵グルカゴンを分泌している。プログルカゴンから膵α細胞でグルカゴンが作られる。小腸でGLP-1は作られている。

Charles Vest先生:健常人と変わらない血糖日内変動を長期間にわたって維持するために
1. 経口投与可能なインスリン製剤
2. 膵移植
3. 人工膵臓

40年経過

インスリン発見100周年の2021年のDMは?
iPS細胞、ES細胞→1型DM→治癒

2型DM→すぐ治療→戻す・・・なぜインスリンが効率よく開始されていないのか?

たった1つで世界が変わる・・・インスリンはいまだにMagic, Miracle, Drugである。

1977年4月20日・・・阪大手作り人工膵臓完成 STG55 Research Trial
日本製ベッドサイド型人工膵臓

Closed Loop Control System
1. Sensor
2. Controller
3. Effector

最近話題・・・Needle Type Glucose Sensor
人工膵臓・・・皮下で測定→皮下にインスリン注入

PDX-1とは・・・PDX-1: Pancreatic Duodenum Homeobox Factor-1
高血糖による酸化ストレス・・・PDX-1の活性↓・・・膵β細胞

Glucose→Glut-2→Glucose→Glucokinase→Glucose-P→ミトコンドリア→ATP/ADP→KATPチャネル→インスリン分泌↑
Heine RJ et al., Brit.Med.J 2006:333:1200-
現状の段階的アプローチ・・・インスリンは最後の手段?

生活習慣病→運動・食事

膵β細胞のインスリン分泌を守る
常に肝臓にインスリンを持続流入させ続ける
安定した血糖コントロールを維持して1型DM状況にしない

内因性インスリン分泌は肝臓で分解されるので、末梢血の高インスリン血症を起こさない。

膵ランゲルハンス島・・・100万個・・・1000個のβ細胞・・10億個のβ細胞

低血糖の遷延化
Bihormonal disorder 両ホルモンの異常

高血糖の高グルカゴン血症←α細胞のインスリン受容体KO
低血糖の低グルカゴン血症←α細胞のインスリン受容体KO

高血糖のインスリン不足→β細胞↓
インスリン抵抗性→α細胞のインスリン機能異常→低血糖のガードがない

インスリンやGLP-1は異常なグルカゴン分泌を抑制する

2型糖尿病・・・αGI, SU, BGでHbA1c<7.5%にならない→インスリン

外来でインスリン導入
1. DPPIV→血糖↓
2. GLP-1アナログ・・・注射で
3. インスリンとGLP-1の併用で

ますますインスリン導入が遅れる→β細胞が非可逆的

2型糖尿病のインスリン療法は足らない内因性インスリン分泌を守る

FBSを決める因子は・・・インスリンの筋取込み・・・注入インスリン量

肝へのインスリン・・・肝糖放出・・・250μU/kg/min
体重66kgの人・・・1U/h

正常ではFBS80m/dl, IRI5μU/ml

24時間基礎インスリン・・・250μU/kg/min=1U/h (BW66kg)

1回の食事でのインスリン必要量=5-30U/1回の食事

外来投与インスリンガ12U/レベミル・ランタスでFBS正常→内因性インスリン分泌をある程度保持している。

ランタス・レベミル36U/day・18UX/dayでFBS↑→毎食後にインスリン出ない。

毎食前6U注射で正常化する。内因性インスリンがある。
肝・筋でのインスリンの働きが悪い→24時間の基礎インスリン足りない。毎食前の超速効型インスリンに基礎を追加1:1

インクレチン→β細胞のインスリン分泌を回復→内因性インスリン↑

β細胞→インスリン→脂肪肝:糖取込み↓→食後血糖↑

α細胞→グルカゴン→糖放出↑→FBS↑

インスリン→β細胞→グルカゴン分泌抑制する

インクレチン→インスリン↑・グルカゴン↓→肝糖取込み↑・肝糖放出↓→夜間血糖↓

α細胞にGLP-1-Rない?
β細胞のインスリン→α細胞→グルカゴン↓
神経性調節→α細胞→グルカゴン↓↑
ソマトスタチン→グルカゴン↓?インスリン↓?
亜鉛→肝のインスリンクリアランスに影響
インスリン→肝→1/2インスリン

高血糖・糖毒性→β細胞のGLP-1-R↓

DPPIV-I→180万人→30%無効

インスリンはβ細胞の維持に必要

インスリン→IRS-2→AKA→FOX01↓→PDX↓→Cell Growth↑?
GLP-1→cAMP→CREP?→β Cell→Apotosis↓?

DMの自然歴を変える
→αGI・Met・TZD
→インスリン・グリニド・SU

インスリンもファーストチョイス

GLP-1→2型DM→インスリン作用

GLP-1→インスリン↑・グルカゴン↓→血糖↓
   →胃腸の動き↓

グルカゴン-R-KO・インスリン-KO→正常血糖

講演会 腎性貧血の話題 10月29日

特別講演I  慢性腎臓病保存期における腎性貧血治療

神戸大学腎臓内科 西 慎一 教授

CKD JAC 保存期コホート研究

Hb11.0g/dlがtarget, eGFR<45が30-45%

保存期ESA(エリスロポイエチン)治療は有用か?
1990年EPO発売

保存期腎不全  心臓血管イベント抑制につながるか?ESRD(末期腎不全)進展を抑制するのか?

心血管イベント HR=0.98-1.33 有意差なし
ESRDの進展  HR=0.97-1.20有意差なし
脳血管イベント HR=1.03-2.21 有意差あり・・・Ann Intern Med 2010:153
Lower the better 高いHb>13.0g/dl, 低いHg 10-11g/dl

CKDとACD(Anemia of Chronic Disease慢性疾患の貧血)
ACDでは腎性貧血に比べ多くのEPO必要
ACDでは貧血に炎症性サイトカインや酸化ストレスが関与

腎性貧血・・・ESA反応良好、心血管イベント少ない
ACD・・・  ESA反応不良、心血管イベント多い



特別講演II  血液透析患者における腎性貧血治療の新たな展開
      鉄代謝異常への挑戦

兵庫医大腎臓内科  中西 健 教授

FeはHbに65%, ミオグロビン6%, フェリチン13%, その他・・・

種々の細胞への鉄の蓄積・・・IRON PARADOX
遊離鉄は電子の授受、供与、酸化還元を触媒・・・フェントン反応
NADPH oxidase, Xanthine oxidase
生体には生理的に鉄を排泄させる仕組みはない
網内系から造血系への再利用が最も大きな役割

鉄の囲い込み・・・血管内皮機能障害(動脈硬化)

鉄の取込み蛋白:Iron Import Protein・・・Transferrin Receptor(TTR)・・・3価鉄

PMCへの鉄取込みby TTR,DMT1、汲みだしby FPN、細胞内ではFerritinとなって貯蔵

動脈硬化巣における鉄・銅は3倍に↑

HUVEC:IL-6、TNF-α、LPSによりTTR↑、DMT1↑、FP1↓ mRNA level and Westwern Blot

ヘプシジン・・・鉄の囲い込み↑↑
小腸では鉄吸収抑制、マクロファージからの鉄汲みだし抑制
炎症→IL-6↑→ヘプシジン↑→マクロファージからの鉄汲みだし↓、小腸での鉄吸収↓

IL-6,Fe overload, Ferritin>100→ヘプシジン↑→鉄汲みだし↓(FPN-1)

TTR,DMT1,TNF-α, LPS↑→鉄取込み↑→鉄汲みだし↓(FPN-1)

腎不全の多くの合併症・・・  炎症性疾患

Feの囲い込み・・・PML, 血管内皮、RES、ミトコンドリア

DIMES・・・Dysregulation of Iron Metabolism and Energy Synthesis Syndrome

持続型赤血球造血刺激因子製剤・・・ミルセラ(エポエチン ベータ ペゴル)

ミルセラ6回=エポジン72回投与

<4500U/W・・・ミルセラ100μg/4W
>4500U/W・・・ミルセラ150μg/4W
Neocytolysis→EPOを急に中止
持続的なEPOの維持が重要

ミルセラT1/2→>100h
Reticulo↑↑↑→Ferritin↓

Iv 鉄  1W-10days間隔でいく・・・40%はどこかで貯まる
同時にCeraとFeを投与するのがbetter

BW75kgの人→Hb1g/dl上昇するのに→正解170mg必要

Ferritin<100mg/dlがgood

RES→RBCならno problem
RES→iv Fe→肝臓・血管・心臓・内分泌・甲状腺↓・動脈硬化・易感染性

鉄の囲い込み→高サイトカイン・高ヘプシジン血症・・・フェリチン↑と同じ

K/DOQI・・・鉄で貧血治療→鉄投与→有効利用→ヘプシジン↓・・・RBCが最もgood

Ferritin>300 ダメ
Ferritin 15-56程度がbetterか?



インフルエンザの重症化、脳症の発症機序と治療に関する最新知見

インフルエンザの重症化、脳症の発症機序と治療に関する最新知見

多臓器不全の発症機序

脳症・・・血管内皮の代謝病
脳の血管内皮にはミトコンドリアが多い。
脂肪代謝障害の人→脳の浮腫
メフェナム酸・アスピリン・ジクロフェナクはライ症候群をおこす。脂肪の蓄積→脳の浮腫

鼻腔〜気道のIgA抗体が最も明確な防御システム
1) インフルエンザウイルスは気道粘膜上皮に感染し増殖する
2) 気道は粘膜上皮IgA抗体により守られている
気道粘膜(インフルエンザウイルスのレセプターが多い)のせん毛・・・粘液:シアル酸

タミフル・リレンザ・・・シアリダーゼ阻害薬
細菌シアリダーゼもインフルエンザ感染で↑・・・実際に細菌シアリダーゼも増殖に働く
時間経過:ウイルス感染→サイトカイン(TNF-α・IL-6・IL-1β)→sIgA↑→プロテアーゼ(トリプシン・MMP-9)↑→血管透過性↑→多臓器不全(MOF)

インフルエンザウイルスは他のウイルスと違ってプロテアーゼの遺伝子を持たない・・・
細胞膜融合ドメイン(hemagglutinine)を切るハサミが細胞内への感染に不可欠

通常のインフルエンザでは気道と腸管の粘膜にレセプターがある
高病原性インフルエンザ(鳥Avianインフルエンザ)では全身(肺・胸・胎盤)にある

ヒトはなぜインフルエンザで死亡するのか?
血管内皮はエネルギーの70%を脂肪に依存
インフルエンザ感染→トリプシンを誘導

H12年 インフルエンザ脳症の発症機序の研究班・・・インフルエンザ発症機序の解明

血管内皮細胞の透過性の亢進

1) 脳圧亢進(浮腫)→呼吸麻痺→死
2) 神経症状・・・異常行動
3) 血管透過性亢進・・・脳・肺・心臓

トリプシンはどこに↑
海馬で↑→てんかん
神経細胞→情動障害
海馬の神経細胞→運動障害、浮腫

血管内皮にトリプシン↑
細胞にトリプシンをかけると細胞内カルシウム↑↑
・・・プロテアーゼアクティブレセプター(PAR-2)

IL-6・IL-1β→細胞内カルシウム↑

トラジロール(アプロチニン)は細胞内カルシウム↓させる。
PAR-2拮抗薬でも細胞内カルシウム↓

細胞内Ca↑↑→Blood Brain Barrier障害で→Zo-1消失→サイトカインストーム

培地にトラジロールを入れるとZo-1は保たれる。

即効性にトリプシン拮抗薬を使うとよい

インフルエンザ心筋炎・・・10%におこる。

血管がつまることあり・・・急性心筋梗塞・・・突然死

MMP-9・・・血管内皮のコラーゲン4を溶かす・・・心機能↓・・・ATPレベル↓・・・収縮障害

NF-kB・AP-1→トリプシン↑・MMP-9↑→PAR-2→細胞内カルシウム↑→Zo-1↓→ミトコンドリア障害

インフルエンザウイルス→IL-1β・IL-6・TNF-α→NO↑O2-↑Ca++↑→パーオキシナイトレイト↑ATP↓→多臓器不全(MOF)

ハイリスク患者とエネルギー代謝
血管内皮のATP消費量↑70%は脂肪に依存
重症インフルエンザ脳症の10-70%にみる遺伝子多型
CPTII、VCP、ATP synthaseの遺伝子多型
人は毎日体重と同じ重さのATPを作らないと生きておれない
ATPは貯めれない、常に作って常に消費

長鎖脂肪酸→Acyl-carnitine→CPTII→Acyl-CoA→β酸化→Acety-lCoA→TCA cycle→I,II,III,IV 電子伝達系ETC→ATP synthase

メフェナム酸・アスピリン・ジクロフェナク→β酸化を阻害

インフルエンザ脳症の増悪期に↑する代謝産物がある

CPT-II欠損症→高危険患者

カルニチン・パルミトイル転移酵素→ヘテロ→中鎖脂肪酸→3か月で死亡

熱中症でもCPT-II活性↓寿命は1/3-1/6
PPAR-δを活性化するとCPT-II↑

タミフルは粘膜IgA↓ マクロライドを併用するとCPT-II↑

インフルエンザの異常行動・・・脳波では海馬の神経細胞からゼータ波がでる・・・夢、眠りながら活動

インフルエンザ感染・高熱でゼータ波がでる、タミフル(OSV)とは関係ない

OSVをインフルの初期にのませても、たとえ高熱でもゼータ波でない

4-5日目にのませると、ゼータ波がでる→神経細胞の感受性↑→異常行動

インフルエンザ5日目よりOSV飲ませると、ネズミで異常行動がでる



医療講演会に参加(10/22)

医療講演会に参加(10/22)

インフルエンザの重症化、脳症の発症機序と治療に関する最新知見

徳島大学疾患酵素学研究センター
教授 木戸 博 先生

抄録より・・・

「インフルエンザ感染で、重症化するヒトと軽症に過ぎるヒトでは何が違うのだろうか?」

インフルエンザウイルス感染への最初の生体応答は、炎症性サイトカインの上昇で、自然免疫系と獲得免疫系を活性化してインフルエンザ感染を阻止するためのスイッチを押す。しかし、これらのサイトカインは、同時に様々な体内転写因子レベルを変動させ、その結果
1. ウイルス増殖に不可欠な消化酵素のトリプシンを全身の臓器と血管内皮に誘導する。
2. ウイルス感染は体内エネルギー代謝を変動させ、細胞内ATPレベルを低下させる。

ウイルス感染によるエネルギー代謝の低下とトリプシン発現増加は、特に血管内皮細胞に大きな影響を与え、膜透過性の亢進による末梢循環不全と多臓器不全のきっかけを作る。

本講演では、インフルエンザ感染による重症化機序を体内エネルギー代謝から解説し、重症化の予防と治療の最新知見を解説・・・

当院では現在、季節性インフルエンザワクチンの接種を行っています。当院受付までご相談下さい。TEL 078-787-2115

垂水区健康セミナーで講演

10月20日(木)

「糖尿病と慢性腎臓病」という講演を行いました。糖尿病は慢性腎臓病のもっとも多い原因であることから、その対策と治療が急務となっています。

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院長
神戸市垂水区の佐々木内科医院では「あなたの腎臓を守りたい。地域のホームドクターへ」をモットーに腎臓専門医として地域のみな様の健康を守りたいと考えています。

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