11/14 医療講演会に出席

11月14日;医療講演会に出席

ケインズの経済学の矛盾から、ミルトン・フリードマンの提唱した経済学説「新自由主義」に関するものでした。この経済学説と日本や米国の医療制度(医療保険制度)に関するご講演でした。小さな政府(新自由主義的政策)、すなわち民間にゆだねることが可能な分野には政府はできるだけ関与しないとする政策、すなわち自由競争社会において、機会は平等でも結果は勝ち組と負け組が生じることは自明であります。病気というものはRandomに人に発生してくると考えられます。したがって、社会的な勝者にも敗者にも医療というものはある程度平等に享受されなければならないと思われます。

日本において医療保険制度は全ての人に享受されていますが、米国ではオバマ大統領の改革(国民皆保険制の実現)が始まったばかりであります。米国の人口291000000のうち、無保険者は45800000(15.7%)におよびますが、日米の医療費は対GDP*比で米国15.8%, 日本8.0%, 一人当たりの医療費は米国$5952, 日本$2249, 民間負担は米国$3282@, 日本$1482, 税負担米国$2670, 日本$767(2003米国保健省調べ@米国は連邦予算の25%を医療費に支出)。*国内総生産

民間保険の問題点;1.非効率的な運営 2. 医療費負債の問題(過酷な取り立て;借金地獄)。3. 利用審査の問題。格差症候群(Status Syndrome);収入が低い程死亡率が高い(McDonough P 他: Am J Public Health 87:1476-83, 1997)。

ドナルド・バーウィック
(ハーバード大学公衆衛生学部教授;7月7日, 米国メディケア・メディケイド管理庁長官に就任;45兆円の予算)の言葉;

「イギリスのように医療費にGDPの9%しか使わずに国民が医療にアクセスする権利を保障する代わりに、アメリカのように医療費にGDPの17%も使いながら、国民が医療にアクセスする権利を保障しないというやり方もあります。・・・市場の『見えざる手』に委ねることで、本来政治家達に課せられている説明責任をあいまいにするだけでなく、消失させてしまうことさえできるのです。・・・私企業が支配する暗黒の下で、誰も説明責任を負おうとしないシステムに委ねてしまうこともできるのです;2008.7スピーチ」、「病者ほど貧しい傾向があり、貧しい人々ほど健康を損なわれている事実を直視しようとせずに、お金のある人や健常者のみを保護することも可能です。しかし、公平かつ文明的かつ人道的な医療費のシステムは、富める人から貧しい人・不運な人へと富を再配分するシステムでなければなりません。優れた医療制度は、『医療制度』という名を使う限り、富を再配分する制度でなければならないのです;2008.7スピーチ」。

新自由主義経済政策による医療政策(in Japan)

「聖域なき改革」

「改革の痛み」

みんな大変な思いをしているのだから我慢しなければ・・・。

医療費を下げられても我慢しなければ・・・。


1. 小さな政府論に基づく、公的給付抑制(公助から自助=自己責任へ)
2. 医療における「規制改革」
     市場原理・競争原理の導入(公的制度の打破)
     株式会社病院
     混合診療の解禁
     医療の質と診療報酬支払を連結:Pay for Performance (P4P)
     保険者機能の強化

「公」を減らして「民」を増やした「二階建ての医療制度(米国型の医療保険制度)」が目指されてきた。

医療制度改革はオバマ政権の最優先課題

・政権の基本理念は富の再分配強化
・2010年3月法案成立
・国民皆保険制の実現
・保険会社に対する規制強化
・公的保険新設は未達成(民を減らして公を増やす試みは不成功)

講演会資料より抜粋・・・ (一部改変)。

医師会医学講演会に参加(11月6日)

「生物学的製剤による最新の乾癬治療の実態」と題する講演を拝聴しました。乾癬とは皮膚科的には炎症性角化症に属する疾患です。この病態形成にTip-DC;TNF-α/iNOS-producing dendric cellが大きな役割を果たすことが分かってきた。乾癬の皮膚病巣にはTip-DCが著増している。このTip-DCはMφ、Plasmacytoid DC, NKT cellからのTNF-αの作用を受けて活性化され、TNF-α、IL-20, IL-23, IL12などを産生し、Th1 cell, Th17 cell, Keratinocyteを活性化し、表皮細胞の増殖から乾癬病巣を形成する。レミケード(インフリキシマブ)、ヒュミラ(アダリマリブ)などの抗TNF-α抗体製剤は乾癬に対して著効を奏する。しかし、これらの生物学的製剤は感染症に対する抵抗力を大きく損なうため、結核感染には十分注意をしなければならない。また、免疫学的サーベイランス系を抑制するため、がんを発生させやすくなる可能性がある。HIVで乾癬が悪化することが知られているが、HAART治療で乾癬が軽快した。このことは、乾癬が何らかのmicrobeに対する免疫系の過剰反応で生じている可能性を想像させる。生物学的製剤はCyAを上回る効果、単独でCR, 頭部・爪の病変にも奏功する。しかし、高価、感染症、未知の副作用の心配、長期のプロトコールが不完全などの短所がある。適応;1.高度のQOL障害を伴う既存治療抵抗性の多関節炎(関節症性乾癬)には生物学的製剤が推奨される。2.CyAやエトレチナート内服、PUVA、Narrow band UVBなどによっても皮疹が体表面積の10%を超えるもの。3.他の全身療法を行っても、頭頸部、手掌足底、爪を含む手指などにQOL障害を伴う難治性皮疹の残存するもの。4.他の療法で副作用。5.他の療法の減量・中止で容易に再燃し、長期にわたる蓄積性副作用の懸念されるもの。6.他の全身療法の使用禁忌となるような合併症が存在し、それらの使用が困難な患者。


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院長
神戸市垂水区の佐々木内科医院では「あなたの腎臓を守りたい。地域のホームドクターへ」をモットーに腎臓専門医として地域のみな様の健康を守りたいと考えています。

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