休診のお知らせ

2018年10月20日(土)を休診とさせていただきます。ご来院の患者様には、ご来院日をお確かめの上、受診をお願い申し上げます。


佐々木内科医院
 院長

9月27日木曜日を休診とします

来る9月27日(木)を都合により休診と致します。地域の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご来院日をお確かめの上受診してください。

佐々木内科医院
 院長

休診のお知らせ

本日、9月4日(火曜日)を台風21号接近のため休診とさせていただきます。

佐々木内科医院
 院長

夏季休診のお知らせ

8月13日(月)〜8月16日(木)まで夏季休診とさせていただきます。来院日をお確かめの上、ご来院下さい。

佐々木内科医院
   院長

休診のお知らせ

2018年6月2日(土)を休診とさせて頂きます。来院日をお確かめの上、受診をお願い致します。6月4日は通常通り診療を行ないます。


佐々木内科医院
   院長

甲状腺セミナー出席

甲状腺ホルモン作用と代謝

K病院セミナーより

1.甲状腺ホルモン作用と代謝の基礎
  -甲状腺ホルモン代謝
  -脱ヨウ素酵素
  -特定の臓器における甲状腺ホルモン代謝
   ・下垂体・中枢神経系
   ・心血管系
2.甲状腺疾患と甲状腺ホルモン代謝
  -甲状腺機能亢進症
   ・バセドー病
   ・T3優位型バセドー病
  -腫瘍細胞での脱ヨウ素酵素
   ・消費性甲状腺機能低下症
   ・甲状腺癌特に転移性甲状腺濾胞癌
  -甲状腺全摘後LT4補充患者での代謝状態

甲状腺ホルモンの分泌、代謝と作用
 T4: 85μg/day → 甲状腺ホルモン受容体 → 甲状腺ホルモン作用
       → 5`脱ヨウ素 T3; 26μg/day
T3: 6.5μg/day
 
脱ヨウ素酵素(Deiodinase:D)の種類と特性
 1型(D1): 触媒する反応 T4→T3
2型(D2): 触媒する反応 T4→T3
 3型(D3): 不活性化 T4→rT3, T3→3,3`-T2

Dの組織分布:D1 肝臓、腎臓など多くの臓器
       D2 脳、下垂体など限られた臓器
       D3 脳、胎盤など限られた臓器
親和性(Km for T4):D1 低い, D2 遅い, D3 中間
最大速度(Vmax for T4・pmol/m/mg):D1 速い、D2 遅い、D3 中間

脱ヨウ素酵素の細胞内局在
D1: 細胞形質膜(細胞内)
D2: 小胞体(細胞内)
D3: 細胞形質膜(細胞外)

D2:血中T3に加えて細胞内T3産生により受容体結合T3を増加
D3:T4,T3を非活性化して、受容体結合T3を減少

生理的意義
D1: 血中T3の維持、rT3除去
D2: 細胞内T3供給、血中T3調節
D3: 細胞内T3調整・過剰T3からの保護

病的意義
D1: 甲状腺中毒症での血中T3上昇
D2: D2が過剰発現する疾患での血中T3上昇
D3: 消費性甲状腺機能低下症、局所甲状腺機能低下症(?)

甲状腺ホルモンの細胞内輸送
輸送体ファミリー
・Organic anion transporting polypeptide (OATP) 有機陽イオン輸送ポリペプチド
・Solute carrier family 21 (SLC21)溶質輸送体21(monocarboxylate transporter(MCT)モノカルボン酸輸送体など)
・System L transporter (LAT) システムL輸送体

T3の中枢神経系での作用と想定流入経路
血液脳関門T4, T3→OATP or MCT→星状膠細胞D2 →MCTs→脳神経細胞T3→D2→T2

Allan-Herndon-Dudley Syndrome (MCT遺伝子異常+)
・X染色体劣性遺伝
・重度精神遅滞
・発語困難
・筋緊張低下、筋肉量低下
・進行性痙性四肢麻痺
・ジスキネジアを伴うジストニー
・甲状腺機能異常:T3上昇、rT3低下、T4低値〜正常, TSH正常〜軽度上昇
Thyroid. 2017 May;27(5):732-737. doi: 10.1089/thy.2016.0570. Epub 2017 Apr 5.
Myocardial Induction of Type 3 Deiodinase in Dilated Cardiomyopathy.
Wassner AJ1, Jugo RH1, Dorfman DM2, Padera RF2, Maynard MA1, Zavacki AM3, Jay PY4, Huang SA1.
Author information
Abstract
BACKGROUND:
The thyroid hormone-inactivating enzyme type 3 deiodinase (D3) is induced during hypertrophic and ischemic cardiomyopathy, leading to a state of local cardiac hypothyroidism. Whether D3 induction occurs in dilated cardiomyopathy is unknown.
METHODS:
This study characterized changes in cardiac D3 and thyroid hormone signaling in a transgenic model of progressive dilated cardiomyopathy (TG9 mice).
RESULTS:
Cardiac D3 was dramatically induced 15-fold during the progression of dilated cardiomyopathy in TG9 mice. This D3 induction localized to cardiomyocytes and was associated with a decrease in myocardial thyroid hormone signaling.
CONCLUSIONS:
Cardiac D3 is induced in a mouse model of dilated cardiomyopathy, indicating that D3 induction may be a general response to diverse forms of cardiomyopathy.
KEYWORDS:
D3; cardiomyopathy; deiodinase; heart; heart failure


まとめ(1)
・1型脱ヨウ素酵素(D1)と2型酵素(D2)は甲状腺ホルモンの活性化酵素で、3型酵素(D3)は不活性化酵素である。
・下垂体・中枢神経系では、特にD2とD3による甲状腺ホルモン代謝が重要である。
・甲状腺ホルモン輸送体MCT8異常で特徴的な神経障害と甲状腺ホルモン濃度異常をきたす(Allan-Herndon-Dudley syndrome)。
・血管平滑筋細胞のD2や心筋でのD3が、局所での甲状腺ホルモン作用や代謝状態に関与している。
・心筋細胞内T3の低下が拡張型心筋症の原因の一つなのか?

Thyroid. 2009 Jul;19(7):755-63. doi: 10.1089/thy.2009.0044.
Thyroid hormone activation in vascular smooth muscle cells is negatively regulated by glucocorticoid.
Toyoda N1, Yasuzawa-Amano S, Nomura E, Yamauchi A, Nishimura K, Ukita C, Morimoto S, Kosaki A, Iwasaka T, Harney JW, Larsen PR, Nishikawa M.
Author information
Abstract
BACKGROUND:
Type 2 iodothyronine deiodinase (D2) catalyzes the production of triiodothyronine from thyroxine. D2 is present in rat aorta media, and there is a circadian variation in the D2 expression. In rat aorta media, the D2 activity exhibited the maximal value at 1200 hour and low value between 1800 and 2400 hour. To understand the mechanisms that induce the circadian variation in the D2 expression, we examined the effects of glucocorticoid on the D2 activity and mRNA in rat aorta media and cultured vascular smooth muscle cells (VSMCs).
METHODS:
The effects of intrinsic and extrinsic glucocorticoid on the D2 activity and mRNA in rat aorta media were studied using metyrapone, a corticosterone synthesis inhibitor, and dexamethasone (DEX). Further, the effects of DEX on D2 expression were studied using the cultured rat VSMCs.
RESULTS:
The trough values of D2 activity and mRNA at 2100 hour were increased by the treatment with metyrapone. On the other hand, the peak values of D2 activity and mRNA were decreased by the treatment with DEX. D2 activity and mRNA in cultured rat VSMCs were increased by the addition of 10(-3) M dibutyryl cyclic adenosine monophosphate [(Bu)(2)cAMP]. The increments were reduced by coincubation with 10(-6) M DEX.
CONCLUSIONS:
These results suggest that glucocorticoids might directly suppress the D2 expression in rat VSMCs induced by a cAMP-dependent mechanism.

甲状腺外T3産生に及ぼすD1とD2の相対的関与
甲状腺機能状態別の推量
・FT4=2pM → D2>>D1
・FT4=20pM → D2>D1
・FT4=200pM → D2
・ヒトD1遺伝子(hdio1)上流の甲状腺ホルモン応答配列T3 response elements: T3RE+
・ヒト末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells: PBMC)での遺伝子発現
     Graves DiseaaseではD1が増加
・ヒトPBMC中D1 mRNAに及ぼすT3の影響
     血中T3とPBMC中D1mRNAは正相関する。
・D1とTSHによる血中甲状腺ホルモン調節機構(健常人)
 下垂体→甲状腺→T3,T4 → -TSH (下垂体)
       T3,T4→ 標的細胞→核(TRE)→D1 mRNA↑→D1 protein↑→T4→T3↑
・バセドー病でのD1による甲状腺中毒症増悪機序
 下垂体→TSH↓→甲状腺腫大→T4↑→T3↑→T3RE→D1mRNA→D1 protein↑→T4→T3↑

バセドー病の発症とD1による甲状腺中毒症の悪循環
 遺伝・環境因子→免疫学的寛容の破綻→TRAb・TSAb産生・バセドー病発症→T4合成亢進→T3増加→D1遺伝子発現亢進→脱ヨード活性上昇→T3増加→ストレス・免疫機能異常

甲状腺機能中毒症の悪循環を絶つためにバセドー病の早期治療が重要である。

T3優位型バセドー病T3-predominant Graves’ diseaseの特徴と予後
           T3優位型      通常型
治療中の血中濃度:T3 (ng/dl) 311±84  133±24
T4(μg/dl) 8.7±1.5 8.5±1.4
T3/T4     36.2±10.4 15.8±1.6
1-4年後治療中止 T3/T4比 寛解     4          21
後の経過     <20     再発     5          9
(患者数)    T3/T4比  寛解      2          0
         >20    再発     19           0



T3優位型バセドー病の特徴と甲状腺脱5`ヨウ素活性
         T3優位型            通常型
TRAb(%)           50.2±23.6 20.0±15.4
Tg中T3含量
(ng/mg・Tg)      20±22 187±105
甲状腺5’脱ヨウ素活性
(pmolT3/mg・protein/min) 1.43±0.6 5.58±3.17

T3優位型バセドー病患者と通常型バセドー病患者の比較
T3-predominant GD Common type GD
Age     36±12 49±16
Gender(F/M) 10/3 13/3
Dose of MMI(mg) 25±10 7±3
TSH (μIU/ml) 2.50±5.05 2.03±2.05
FT4 (ng/dl) 0.89±0.79 0.87±0.15
FT3  (pg/ml) 4.72±3.65 2.35±0.42
FT3/FT4        6.6±3.0 2.7±0.5
TRAb(U/L) 206±276 5.04±4.68
TSAb(%) 1124±582 350±338
Thyroid Volume(ml)  227±106           32±23

通常型及びT3優位型バセドー病甲状腺組織のD1,D2活性とmRNAレベル

D1,D2活性、D1,D2 mRNA活性は通常型よりT3優位型バセドー病で高値

ヒト腫瘍中の脱ヨウ素酵素
組織            脱ヨウ素酵素
腎がん            D1活性低下
肺がん            D1活性低下
下垂体腫瘍          D1活性低下
乳がん            D1活性mRNA上昇
甲状腺 乳頭がん       D1/D2 mRNA低下
 (cell line)
乳頭がん・濾胞癌   D1mRNA活性低下
乳頭がん・濾胞腫瘍  D1mRNA活性:乳頭がんで低下、濾胞腫瘍で上昇
血管腫による重症甲状腺機能低下症
 消費性甲状腺機能低下症

肝血管腫、肝血管内皮腫

消費性甲状腺機能低下症

・甲状腺機能低下症が腫瘍成長で出現し、切除で軽快。
・甲状腺ホルモン補充量大量、rT3上昇
・甲状腺機能自体は正常か亢進(Tg,シンチ、甲状腺腫から判断)
・他の原因除外(自己抗体、甲状腺ホルモン内服)
・異所性を含め症例増加
・甲状腺機能低下症の鑑別診断の一つ

腫瘍随伴症候群(Paraneoplastic syndrome)

甲状腺全摘後広範濾胞癌転移患者の甲状腺ホルモン代謝

LT4(チラージンS)→肝臓・腎臓(D1)、骨格筋(D2)→T3↑

まとめ(2)
・バセドー病を早期に治療することで、甲状腺ホルモン上昇とD1亢進による甲状腺ホルモン上昇とD1亢進による甲状腺中毒症の悪循環を断つことができる。
・D1・D2が亢進しているT3優位型バセドー病は難治であり、アイソトープや手術療法を考慮する。
・腫瘍のある患者で進行性の甲状腺機能低下症があれば、D3過剰発現による消費性甲状腺機能低下症を考慮する。
・甲状腺全摘後の広範転移を伴う濾胞癌患者の約20%で、転移巣内D1,D2亢進によるT3中毒症をきたすので、LT4投与量を調節する。
・甲状腺全摘後LT4補充患者では、「TSH・FT4正常」ではなく、「TSH軽度抑制・FT3正常」を目標とする。

当院では、地域の皆様のため甲状腺疾患にも力を入れていきたいと考えております。

甲状腺についての話題

 甲状腺機能は通常の定期健診ではほとんどチェックされることはありません。寒さに弱くなったり、高脂血症、肝機能異常を示すこともあります。診断には、甲状腺機能検査が必要です。


亜急性甲状腺炎

定義 概念

ウイルス感染症によると考えられている甲状腺の炎症のため、甲状腺の腫大と強い痛みを伴う疾患である。非化膿性甲状腺炎、巨細胞性甲状腺炎、肉芽腫性甲状腺炎、または本症の発表者の名前からde Quervain thyroiditisなどの多くの異なった名称が使われてきたが、現在は亜急性甲状腺炎という名前が一般に用いられている。40-50代に多く、男性より女性患者がはるかに多い。慢性甲状腺炎に移行することはない。一度罹患すると免疫ができるため、通常二度と罹患することはない。

病理

 甲状腺濾胞構造の破壊、間質への単核球浸潤、多核巨細胞の出現、コロイド漏出、浮腫などの特徴的病変を示す。

病因

 しばしば上気道感染が先行し、ウイルス感染によると考えられているが、局所からのウイルス同定は成功していない。春と秋に流行のピークを示すことが多い。HLABw35との関連が報告され、患者側の素因も関与していると考えられる。

臨床症状

 典型的な場合には、上気道炎様の前駆症状に続いて悪寒を伴う38℃に及ぶ発熱があり、前頸部に自発痛および圧痛、嚥下痛が出現する。痛みは下顎や耳介に放散し、嚥下により増強する。発熱、倦怠感、筋肉痛などの全身症状を伴うことが多い。数日から数週間の経過で、甲状腺の痛みが一側から他側に移動することもある。かたい圧痛のある甲状腺腫を触れる。
 
甲状腺の組織破壊により貯蔵されていた甲状腺ホルモンが血中に放出されるため(破壊性甲状腺炎)、活動期には動悸、発汗、手指振戦などの甲状腺中毒症状が出現する。3−6週間持続した後中毒症状は消失し、一部の症例では機能低下期を経て、回復する。全経過は
4−6か月であり、未治療でも自然回復することが多い。約5%の症例で永続的な機能低下となる。甲状腺ホルモン、TSH、甲状腺放射性ヨード接種率などの経過は無痛性甲状腺炎と同様である。

検査成績
 CRPは高値、白血球は正常から軽度増加にとどまる。血中甲状腺ホルモンが増加し、TSHは低下する。無痛性甲状腺炎と同様、血中T3/T4比は20以下となる。血中サイログロブリン濃度は濾胞の破壊を反映して上昇する。抗甲状腺自己抗体、抗TSH抗体は、一般に陰性である。甲状腺超音波検査では、罹患部は著明な低エコーを呈し、血流も低下する。甲状腺放射性ヨード摂取率は、濾胞の破壊のため著明に低下する。GOT,GPTが上昇する例もある。活動期に引き続いて甲状腺ホルモンは低下し、ときに機能低下の時期を経て正常に復する。

診断
 発熱、倦怠感などの全身症状、圧痛をともなう硬い甲状腺腫、CRP高値、血沈亢進、白血球正常、甲状腺ホルモン上昇、サイログロブリン高値、甲状腺ヨード摂取率の著明な低下などがあれば、診断は容易である。急性化膿性甲状腺炎、甲状腺内出血なども甲状腺の圧痛をきたすが、上記の点から鑑別は難しくない。無痛性甲状腺炎とは甲状腺の疼痛の有無で区別できる。慢性甲状腺炎の急性増悪とよばれている状態は亜急性甲状腺炎によくにているが、急性増悪では以前から慢性甲状腺炎による甲状腺腫があること、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体、抗サイログロブリン抗体が陽性であることから鑑別可能である。

治療
 発熱や疼痛が軽度の時は、サリチル酸や他の非ステロイド性消炎鎮痛薬を用いる。重症例では副腎皮質ステロイド剤を用いる。副腎皮質ステロイド剤は非常に有効で、predonisolone20-30mg/dayの使用により痛みは数日以内に劇的に改善する。Predonisoloneの漸減はゆっくりおこない、1-2か月投与した後に、中止する。早急に中止すると、症状が再燃しやすい。圧痛、甲状腺腫が消失し、CRP、血沈、血中サイログロブリン値などが正常化すれば、治癒したと判定してよい。甲状腺放射性ヨード摂取率はTSHが抑制されている期間は低値であるが、TSHが上昇するにつれ回復し、機能低下を示す時期は高値を示す。





急性化膿性甲状腺炎

定義 概念

細菌感染による起こる甲状腺の急性炎症で、まれな疾患である。口腔内の細菌が下咽頭梨状窩瘻(下咽頭と甲状腺を結ぶ先天性の内瘻)を通じ、甲状腺周囲または甲状腺内に達し炎症を起こすもので、圧倒的に小児、若年者に多い。

病因
 第三鰓弓が遺残して咽頭の梨状窩から甲状腺に瘻管をつくている人に起こる、起因菌としては、黄色ブドウ球菌が成人例の30%を占める。小児の初回感染や成人の再発例では、連鎖球菌や嫌気性菌が原因となる。

臨床症状
 通常罹患側は左側である。皮膚の発赤、熱感を伴う強い圧痛、腫脹を左側前頸部に認める。痛みは耳や下顎に放散する。発熱などの全身症状を伴うことも多い。膿瘍を形成すると前頸部の腫脹に波動を認める。

検査成績
 白血球増加(核は左方移動)、CRP増加、赤沈の著明な亢進を認める。甲状腺の破壊が広範な範囲な例ではまれに甲状腺ホルモンが増加することもあるが、通常は甲状腺ホルモンは正常である。甲状腺シンチグラフィーでは罹患部は欠損像となるが、他は正常の取り込みを示す。超音波検査では、種々のエコー輝度の混在した辺縁不整の腫瘤像を呈する。

診断
 甲状腺腫瘤を穿刺し、内容液の細菌培養とグラム染色を行う。炎症が消退した後、下咽頭食堂造影X線検査を行い、感染経路である下咽頭梨状窩の存在を証明する。

治療
 急性期には抗生物質を投与する。膿瘍を形成している場合には切開排膿が必要である。根治治療には下咽頭梨状窩瘻管を除去することが必要であり、急性期がすぎてから瘻管切除術を行う。

甲状腺低下症について

甲状腺機能低下は認知症のような症状もあると言われています。認知症と考える前に血液検査で甲状腺機能をチェックしましょう。

甲状腺機能低下症の症状

I 自覚症状
1. 寒さに敏感
2. 疲れかたいやすい、脱力感、無気力、思考力・記憶力の低下
3. 皮膚がカサカサする
4. 便秘
5. 筋肉のこわばり
6. 食欲不振
7. 体重増加
8. 毛髪が抜けやすい
II 身体所見
1. 甲状腺腫
かたい甲状腺腫のことが多い、蝕知しないこともある
2. 精神状態
精神鈍麻、動作緩慢、緩徐な話し方、言葉のもつれ、記憶・思考力の低下
3. 顔貌
口唇、舌が厚い(巨大舌)、脱毛、眉毛外側1/3の脱落、眼瞼浮腫(粘液水腫性顔貌)
4. 循環器系
徐脈、心音微弱、心膜液貯留、
5. 神経・筋肉系
腱反射弛緩相延長、こむら返り、筋力低下、ミオパチー、しびれ、聴力障害
6. 消化器系
消化運動低下、便秘、食欲低下
7. 皮膚・毛髪系
乾燥して冷たい皮膚、手掌黄染(カロチン沈着)、粗造で抜けやすい毛髪
8.生殖系
月経過多
9. 造血系
貧血(正球性)
  10.四肢
    圧痕を残さない浮腫(non-pitting edema)
  11.代謝系
    低体温、体重増加、発汗減少
  12.その他
    低温、嗄声


慢性甲状腺炎 関連疾患

a. 無痛性甲状腺炎(silent thyroiditis, painless thyroiditis)、分娩後甲状腺炎(post parutum thyroiditis)

慢性甲状腺炎において、なんらかの自己免疫機序により一過性の炎症が生じ、甲状腺濾胞が破壊されることがある。病態として亜急性甲状腺炎に似るが、甲状腺の痛みがないことから無痛性甲状腺炎とよばれる。他疾患の治療のためステロイドホルモン薬を服用してきた慢性甲状腺の患者が、ステロイドを減量、中止したときに生じることもある。無痛性甲状腺炎が分娩後1年以内に起こった場合は、分娩後甲状腺炎とよぶ。

 受診時、軽〜中等度の甲状腺中毒症状を呈することが多く、痛みを伴わない比較的硬い甲状腺を蝕知する。2週間〜2か月の甲状腺中毒期の後、短期間の甲状腺ホルモン正常期を経て、多くの症例では一時的に甲状腺機能低下となる。機能低下が数か月続いた後、甲状腺ホルモンは正常に復する。全経過は数か月から7−8か月となるが、まれに(5%以下)永続的な機能低下となる。約10%の症例で再発する。

 甲状腺中毒期には、甲状腺ホルモン高値、TSH低値、サイログロブリン高値を認める。T4が比較的高値で、T3はその割に増えないことが多く、T3をng/dl, T4をμg/dlで表したT3/T4比は20以下となる。バセドー病ではT3/T4比は20以上である。抗サイログロブリン抗体や抗ペルオキシダーゼ抗体は高頻度に認める。一般的に抗TSH受容体抗体は検出されない。甲状腺放射性ヨード摂取率は低値となる。甲状腺超音波検査は橋本病を反映して、全体に不均一な低エコーを呈することが多い。治療は対症療法のみでよく、甲状腺中毒症状が強い時期にβ遮断薬を使用する。ただし、永続的な機能低下症になれば、thyroxineの投与が必要となる。

 無痛性甲状腺炎とは別に、慢性甲状腺炎の急性増悪とよばれている病態がある。これは、臨床像、検査所見が亜急性甲状腺炎に似て、甲状腺腫は有痛性である。

b. 萎縮性甲状腺炎(atrophic thyroiditis)、特発性粘液水腫(idiopathic myxedema)
 甲状腺腫の触れない甲状腺機能低下症で、組織学的所見は橋本病とほぼ同様である。自己免疫性甲状腺疾患とされる。狭義の橋本病の終末像とも考えられるが、一部の症例では阻害型TSH受容体抗体が病因と密接に関連する。また、甲状腺細胞の増殖を阻害する甲状腺成長阻止抗体が関与するとの考えもある。本症ではBW35の頻度が高いと言われている。

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